« 鶴見俊輔(つるみ しゅんすけ) 哲学者 | メイン | 椹木野衣(さわらぎ のい) 美術評論家 »
cast&staff 出演者 制作者
2006年08月30日 17:23
大野一雄(おおの かずお) 舞踏家
大野一雄とは
1906年北海道函館市に生まれる。
戦前より石井漠に師事し、モダン・ダンスを学ぶ。次第に日本独自の精神風土から生まれる肉体表現によって、西欧モダニズムダンスからの脱却をはかり、前衛的な活動を展開していく。そして、日本、アジアの地域性に根ざしながら、そこからも脱却した精神と肉体の合一から生まれる表現を通して根源的普遍へと到り、大野一雄独自の内的宇宙を構築する「舞踏」へと昇華させていった。その舞踏世界は、肉体の動作を虚空に放射しながら、そこから生まれる純粋無垢な世界の表出によって、魂のドラマを爆発させる。
肉体が空間に限定されることなく、それらとの抜き差しならない不穏な攻めぎ合いから生まれる極限状況によって、自己の身体を開放し、拡散させ、増殖を繰り返す絶え間のない連鎖作用がもたらす自己分裂を通して、新たな統合された「神話的主体(自己)」を創り出そうとする。
そして、この現実を突き抜けた所にあるもう一つのリアルが、宇宙のはるかかなたに見い出されるものでなく、私たちの足元にうずまく地霊であり、背中に貼りついた妖精として、この現実の真っただ中に出現するものである事を、肉体の受難と苦痛の果てに訪れる悲しみを伴った快楽が醸し出す遠い記憶のほとばしりによって表現しようと試み続けている。
それらは、追憶から生まれる再生の儀式として「ラ・アルヘンチーナ頌」に、また、母の胎内をまさぐる「わたしのお母さん」に結実されていった。土方巽、笠井叡の師でもあり、孤高の舞踏家としての存在は、多くの人々に影響を与え続けている。
加齢による肉体の衰えが、逆に純粋さを昇華させていく空前絶後の舞踏家である。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.nihonshinju.com/mt/mt-tb.cgi/8
